Missing Pet

 

 

「ミッシング・ペット」と題されたこのシリーズは、人の自己評価・認識・分析と自己批判精神と向上心・願望について考察し、社会の発展にも欠かせないその傾向と、自らを容認しきれない人間の杞憂の間の揺れを表したものです。

人は、自らがどんな人間であるかの認識を持っています。そして、中には、人として「より」良くなりたいという気持ちを抱えて生活している人は少なくありません。その自己認識をベースとした、この先どんな人間になりたいかといった理想です。それによって、そのために何が欠落しているか、必要かを明確に意識している場合も多くあります。
それを見つけるプロセスはそれぞれ違いますが、足りないと思うものを獲得する事で、より良くなろうとします。純粋な向上心であろうと、虚栄のためだろうと、そうなる為の助けとなる欠落した要素を、一点は挙げることができるでしょう。
欠点を補う為、今あるモノの延長、なんとなく、いろいろな理由はありますが、そこには自分をよしと出来ない不安感が見え隠れしているように思います。

飼い主とペットに類似点がその動作や、時には見た目にまで表れるといったような、その近しい関係性から動物(ペット)を作品の中で媒体とし、オーナー自らが良くなる為に欠如していると考える要素が、身体的特徴として視覚的に表出しています。例えば、「人の話を聞かない」と自己認識のあるオーナーは、より良い聞き手となりたいとの願いを持ち、その願いがペットの体に大きな音の集約器官(耳)となって表れる、といった具合です。

 

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