Parkscape

 

 

「Parkscape(パークスケープ)」は都市の公園の、うつろいやすいけれど疑いようのない存在感を持つ、典型的なホラー映画に出てきそうなコミカルな薄気味悪さと、パラレルワールドの産物の様な微妙な邪悪さを描いたものです。 それは皆の憩いの場となるよう綿密に設計されて建造された人工的な自然と、実際に季節の移り変わりにさらされて利用される実物の公園との矛盾の隙間に滑り込んだ都市生活のファンタジーでもあります。机上の空論と実物のギャップともいえます。

大きく開けた緑が広がる空間。人々が気軽に訪れひと時の休息に身を任せる。横になって本を読み、犬を散歩させ、サッカーをし、空気を吸い込む場所。しかし、公園にはもうひとつの顔があるのではないでしょうか。
空想を感化させ、そこにいるのは私たちだけではないのでは?といった不穏な想像を導く不安感。誰か…何かが見ている。確かに現実的な考えとして、財布や子供を狙う誰かの存在もあるかもしれません。しかし、ここで言うのはそれとは別の「何か」です。

もちろん、想像が一人歩きして勝手に思い描いている可能性も十分すぎるほどあります。しかし、影の形、葉の落ちた小枝の寂しさ、光や空気の感覚につくり出される場所自体の雰囲気など、様々な要因がそういった感覚を起こさせます。憩いの場にある極々わずかな現実との矛盾です。

作品鑑賞後、これらの絵に対して、フェアリーテール(おとぎ話)にある様な、魔法やらのファンタジーが起こった後の光景といった印象を受ける人達が度々います。人工的自然公園の不自然なイデオロギーに対する奇妙さ、人気のない公園などがその理由かもしれません。

 

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